2021年ギャンブル業界を予測|M&A・小売・オンラインギャンブル
最終更新日: 2021/08/16
2020年の最後に、この一年間を振り返ってみるのもいいでしょう。そして、来年の12か月間でどのようなことが起こるのかを予想してみるのもいいですよね。
年間の予算を予定する場合、次の年の出来事について予想することは必須です。しかし、今年に起こったことを考えると、来年について考えることは無意味にも思えます。
世界的に情勢が不安定になった2020年、いくつかのギャンブルについては、どのような傾向になるか予想することができたかもしれません。しかし、世界的にゲーム業界が閉鎖されるということはだれも予想することができなかったでしょう。まだ世界中が不安定なことを考えると、2021年について予想しようということは愚かなことに思えるかもしれません。
しかし、そんな状態だとしても、いくつかの企業は今後の動向を予想しようとしています。そして、ワクチンがうまく機能するかもしれないという可能性を踏まえて、2021年の予想を立てることができます。
合併|M&A
最初の予測は、DigitainのPeter Nolanが最初に表明したものです。Nolanはゲストインタビューに、2021年にM&Aがさらに重要になると主張しました。私も同じように考えています。2021年に関しては、さらにM&Aが激しく行われることは避けられないでしょう。
近年の競争が激化していること、規制が厳しくなっていることを踏まえると、今後大規模な合併がますます一般的になっていくことでしょう。ここ数ヶ月だけでも、FlutterEntertainmentとTheStars Group、CaesarsEntertainmentとEldoradoResorts(およびWilliam Hill)、EvolutionとNetEntのM&Aがありました。
2020年は主にランドベースのセクターによるM&Aが目立ちましたが、今後はオンライン業界によっても似たような傾向が現れるかもしれません。そして、この世界情勢の影響を考えると2021年は通常よりもさらにM&Aが頻繁に行われるようになるでしょう。
2019-2020年と同じ数の統合が行われるとは考えにくいですが、これより低いレベルで統合が行われることは間違いないでしょう。
実店舗|2022年までの展望
すでに触れたように、2020年はランドカジノにとって、とても厳しい一年となりました。今後アメリカのカジノやヨーロッパのショップがさらに閉鎖されることを考えると、2021年に何が起こるかを具体的に予想することは不可能に近いでしょう。
Seminole GamingのCEOと、Hard Rock Internationalの会長、Jim Allen氏は、最近GI Huddleに登場し、正直に2020年の振り返り、および2021年の分析を行いました。制限された中でのアメリカのランドカジノの再開後の達成レベルを考慮すると、確かに楽観的になれる要素はいくつかあります。
しかし、Jim Allen氏は注意を促しています。また、この不安定な世界の状況が収束しないことを踏まえると、アメリカにおいてもマカオにおいても、今後のランドカジノの発展が低迷するのは間違いないでしょう。
だからこそ、現時点で私たちができる最大の予測は、2022年は以前のレベルに戻ること、世界のランドカジノの回復の年になるということです。特に2020年の後半に効果的なワクチンが利用可能になったため、2021年の展望が少し明るくなったといえます。しかし、まず状況は安定しているとは言えません。
スポーツベッティング|2021ユーロ
2020年のスポーツベッティング業界は、大荒れとなりました。世界中の大規模なスポーツイベントは完全に中止されたため、スポーツベッティングにおける収益は大きく損なわれました。しかし、スポーツが少しずつ再開されるようになってからは、業界は大きく成長しました。現在は、スポーツベッティング業界は非常に安定した状態にあるといっていいでしょう。というのも、現在では、スポーツベッティングに代わる娯楽が限定されてしまっているからです。
EveryMatrixCEOのEbbeGroesは、この世界の不安定な状態での適応についてGIHuddleに詳細に話しました。そして、スポーツベッティングのサプライヤー、オペレーター、および関連会社がどのように適応を余儀なくされたかについても語りました。
しかし、プロスポーツ組織は、2021年について前向きに予測しています。そして、2021年はスポーツベッティング業界にとって、2019年に匹敵するほどのさらなる成長の年になるはずだと予想しています。
以前は、KindredGroupのCEOであるHenrikTjärnström氏とBetssonGroupのCEOであるJesperSvensson氏は、どちらもEuro 2020(欧州サッカー選手権)への野心について話してくれました。特にTjärnström氏は、これが歴史上最大のスポーツベッティングイベントになるだろうと予想していました。
当然のことながら、最終的に2020年にイベントはなくなってしまいました。しかし、これは完全に中止されたわけではなく、2021年まで延期されました。2021年に予定通りのすべてのイベントを実施することができれば、スポーツベッティング業界にとって大きな盛り上がりとなることでしょう。
デジタル化|オンラインカジノ・ゲーム
ゲーム業界で、2021年にますます加速すると考えられているのがデジタル化でしょう。一部のマーケットでは、これはオンラインと実店舗の融合になりえますが、ほとんどの場合は、完全にデジタル化となることでしょう。
ランドベースのものを好む人もいますが、ここ数年では多くの人がオンラインを推奨しています。2020年に私たちが学んだことは、予測不可能な出来事によって、ランドベースの商売がすべて停止してしまうことがあるということです。そして、世界中のランドカジノや賭博店は、2020年ビジネスモデルを変更せざるを得なくなりました。
一方で、オンラインベッティングは、パンデミックなどの出来事によって影響を受けることはありませんでした。特に、スポーツの試合に関係ないオンラインカジノ・ゲーム(ポーカー、ビンゴなど)は、2020年の世界が不安定な状況下でも影響を受けませんでした。マカオではオンラインゲームを規制するという議論が上がりましたが、現在では実際には規制は行われていません。
このような動きが特に顕著だったのがアメリカです。アメリカでは多くのカジノが閉鎖している中、オンラインゲームが各州の重要な収益となりました。ランドカジノが閉鎖している場合、オンラインゲームがランドカジノのマーケットを奪うということもありません。そのため、ニュージャージー州などでは、州とオンラインゲームと協力することすらありました。
2021年、どのようにマーケットが動くかについては、予想することができません。しかし、1つ確実なこととして言えるのが、オンラインゲームが今後も増え続けるということでしょう。