直感や本能に頼るのは危険なのか?スポーツベット
最終更新日: 2021/08/16
スポーツベッティングにおいて感情に基づいて判断をしてしまうことはとても危険なことです。好きなチームに賭ける、このチームが何となく勝ちそうな気がするから直感で賭ける、というのはスポーツベッティングで負ける原因となりえます。しかし、多くのプレイヤーはこのように判断してベッティングを行ってしまうことがあるのです。
スポーツベッティングにおいては、期待値や確率を検討して賭けるのが鉄則です。しかし、本能的に誤った賭けをしてしまうこともあるのです。この記事では、スポーツベッティングでありがちな本能、人々の思考について解説します。
確実性効果と可能性効果
例えば、スポーツベッティングで100万円を獲得するとしましょう。そして、100万円を獲得できる確率が以下のように設定されているとします。
A:0%→5%
B:5%→10%
C:60%→65%
D:95%→100%
これらの例ではどれも同じように100万円を獲得しています。しかし、それぞれのパターンで100万円を獲得した時の評価は同じでしょうか?95%→100%に変化する場合と0%→5%に変化する場合では、大きな違いがあるのではないでしょうか?これは主観的にとらえる確率は客観的な確率と一致しないためです。
Aでは最初の確率が0%と低かったため、5%に上がっただけで大きな変化に感じられるのではないでしょうか?そして、その時の喜びも大きいはずです。また、すでに95%の確率があったものが、さらに100%に達することで、大きな変化があったように感じ、大きな喜びが感じられるのではないでしょうか?
つまり、0から5%に上がったAと、5%上がることで100%に達したDではBとCと比較して嬉しく感じることができるのです。
Aのように、まったく可能性がなかった出来事が、わずかながらでも可能性がある出来事になることで感じられる心理的な変化を、可能性効果といいます。一方で、Dのように、ほぼ確実だった出来事が、確実な出来事になることで感じられる心理的な変化は確実性効果と呼ばれています。
スポーツベッティングにおいては勝率が0%の場合と3%の場合、もしくは98%の場合と100%の場合ではとるリスクが全く違うように感じられます。スポーツベッティングではこのように確実性効果と可能性効果によって本能的にリスク回避してしまうことがあります。
確実性効果の例
例えばスポーツベッティングにおいて、以下のオッズがあったとしましょう。
- 100%の確率で10万円もらえるオッズ
- 20%の確率で15万円もらえるクジ
この場合、人は金額が少なくても確実にもらえる方を選ぶ傾向があります。
確実性効果の例②
- 90%の確率で配当が獲得できる
- 60%の確率で配当が獲得できる
上記の確率が設定されているうえで、お金を払えば10%成功率を上げることができるとします。この場合は、多くの人は「90%の確率で配当が獲得できる」を選択し、確率を100%にします。これは「60%の確率で配当が獲得できる」を選択した方が配当が大きい場合でも同じです。これは確実性が高いほうを選ぶ傾向があるためだといえます。
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鮮明性
ベッターは、確率論ではなく想像力によって賭けをしてしまうこともあります。例えば、宝くじを想定してみましょう。宝くじを購入する際、だれでも「宝くじが当たったら何に使おうかな?」と考えますよね。このように勝った時に事を想定することによって、本能的に勝率が高いと誤解するようになってしまうのです。
これはスポーツベッティングで好きなチームに賭けるときによく起こります。自分の好きなチームの場合、感情的になりやすく、好きなチームが勝利した時の様子を容易に想像してしまいます。これにより、本能的に好きなチームが勝ちそうだと考えてしまうのです。
スポーツベッティングでは感情が混じることによって確率を主観的に判断してしまうようになり、誤ったベットをしてしまうことがあります。そのため、スポーツベッティングでは自分の好きなチームや選手に賭けるのは避けた方がいいといわれているのです。
表記法
ギャンブルにといてはどのように表記するかによって受ける印象が大きく異なります。例えば、ある試合が以下のように表記されていたとしましょう。
選手A VS 選手1
(選手A: 3.201, 選手B: 9.454, 選手C: 11.232,)
この場合、スペースの問題で選手Aだけが代表して表記されています。この場合、選手Aの優先度が高いと判断でき、実際の確率が同じ場合でも、選手B、選手Cと比較して、選手Aの勝率が高いと感じられるようになってしまうのです。
プロスペクト理論
スポーツベッティングなどのギャンブルにおいて、ベッターには目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先します。一方で、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向があります。例えば以下の2つの条件が提示されたとします。
- A:100万円が無条件で手に入る
- B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない
この場合、多くの人は利益を確実にするためにAを選択します。一方で以下の2つの条件ではどうでしょうか?
条件:あなたは200万円の負債を抱えているとします。
- A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる
- B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない
この場合、多くの人は損失そのものを回避しようとBを選択するのです。つまり、最初の質問では堅実な選択肢であるAの選択肢を選ぶのに対し、状況が変わって2つの質問になると多くの人はギャンブル性の高いBを選択するようになるのです。
これは100万円を手に入れる喜びと、100万円を失うショックでは、どちらも同じ100万円であるにもかかわらず、多くの人が失う100万円を大きいと感じためです。このような人間の心理がプロスペクト理論と呼ばれます。
詳しくはこちら▶︎プロスペクト理論から考えるオンラインカジノ
ギャンブラーの誤謬
ギャンブラーの誤謬とは、合理的な根拠がないにも関わらず確率論を無視して主観や経験によって判断してしまうことを言います。
例えば、ほぼ実力が互角のチームAとチームBが試合をしたとします。そして、チームAが10回連続で勝利したとします。この場合、初心者のベッターの場合はさすがに11連敗はないだとうと考え、チームBにベットします。
一方でベテランのベッターはギャンブルの波を読み取って、さらにチームAが勝利することに賭けるのではないでしょうか?
どちらにせよ、初心者もベテランも確率的な根拠がなく主観や経験によってベットをしています。チームAが勝利するか、チームBが勝利するか、と言うのは独立事象であり、チームAがすでに10連勝しているからと言って、その結果が次のゲームの結果に影響することはありません。そのため、次の試合でもどちらのチームの勝率も50%です。しかし、ギャンブルにおいてはギャンブラーの誤謬が働き、ベッターは主観を元に確率をゆがめてしまうのです。
詳しくはこちら▶︎ ギャンブラーの誤謬の影響と回避法︎
直感ではなく確率を重視しよう
このようにスポーツベッティングをする際には、直感や本能が働くことによって確率をゆがめてしまうことがあります。これによって正しい判断ができなくなり、損失が出てしまうのです。そのため、スポーツベッティングをする際には感情や直感に左右されずに、確率だけを頼りにベットする必要があります。
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