10種の認知バイアスとポーカーの関連性をまとめてみた|プレイを向上!
最終更新日: 2021/08/16
ポーカーなどのギャンブルをプレイする際には、無意識のうちに脳が判断を下し、論理的な判断ができなくなってしまうことがあります。これは認知バイアスと呼ばれるもので、私たちの脳は常にある傾向に基づいて判断をしてしまうのです。この認知バイアスによって、ポーカーにおいて間違ったアクションを取ってしまうこともあります。
そこでこの記事では、認知バイアスについて紹介していきます。どのような認知バイアスがあるかを学ぶことによって、それに影響を受けずに判断ができるようになりましょう。
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ダニング=クルーガー効果
ダニング=クルーガー効果とは、「能力が低い人ほど、自分を過大評価する」「能力が高い人ほど、自分を過小評価する」ことを言います。このダニング=クルーガー効果はスポーツや学問、仕事など様々なシーンで見られます。つまり、私たちは自分の能力を正しく認識することができないのです。
ポーカーにおいて自分の能力を過小評価してしまうと、レイズなど攻めのアクションを取ることができなくなってしまうため、他のプレイヤーにブラフされてしまったりなど、積極的なプレイをすることができません。
一方で能力を過大評価してしまうと、強いプレイヤーが集まるテーブルでプレイしてしまったり、チップをたくさんかけてしまったりなり、無謀なプレイをしてしまうようになります。自分の能力を過大評価することによって「自分ならできる」とモチベーションを上げることもできますが、ポーカーにおいては損失につながってしまうことも多くあります。
正しく戦略を練るためにも、まずは自分の実力を正しく判断することが重要でしょう。
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自己奉仕バイアス
自己奉仕バイアスとは成功したときは自分自身の能力によるものであり、失敗したときは自分ではどうしようもない外的な要因によるものだと思いこむ考え方です。
例えば、サッカーの試合があったとしましょう。試合に勝利した時は自分が活躍したおかげで勝利したと考えます。一方で、試合に負けてしまった時には、チームメンバーの動きが悪かった、対戦相手が強かった、など外部に要因を探そうとしてしまうのです。
また、自己奉仕バイアスは他人をどう判断するかにも関係します。例えば、あなたと友人のAさんがコップを割ってしまうというミスをしてしまったとします。この時に自分のミスの原因としては「コップの置いてある場所が悪かった」など外的要因があると判断しますが、友人Aさんのミスに対しては「Aさんがドジだからコップを落とした」というように判断するのです。つまり、自己奉仕バイアスによって自分のことを棚に上げてしまうのです。
ポーカーでこの自己奉仕バイアスが働いてしまうと、ゲームで負けたのには外的要因があると判断してしまうため、自分のゲームプレイを見直して学ぼうとしません。そのため、この自己奉仕バイアスが強く働いている場合では、自分のミスを認めることをしないので、スキルが向上しにくい状態だといえます。
また、この自己奉仕バイアスに関連して「根本的な帰属の誤り」という認知バイアスもあります。これは事実よりも他人の性格を疑ってしまう認知バイアスのことを言います。
例えば、友人のAさんが待ち合わせ時間の10分後になっても現れないとします。この際に、渋滞や電車の遅れを疑うことよりも先に「Aさんは時間にルーズなところがある」と性格の問題だと考えてしまうのです。
つまり、自己奉仕バイアスと同じように、他人を評価する際に、外的要因ではなく本人の問題だととらえてしまう傾向が強いのです。私たちは無意識のうちに自分に甘く、他人に厳しくなってしまっているのです。
確証バイアス
確証バイアスとは、物事を吟味して情報を集めているときに、無意識に自分の考えを肯定するような情報ばかりを収集してしまうことを言います。一方で、自分の考えと反対の情報は無視したり、軽視したりする傾向があります。つまり、情報を収集するときに、無意識に情報を差別化してしまっているのです。これが確証バイアスと呼ばれるものです。これは人間であれば誰でも持っている傾きであり、無意識にしてしまっています。
この確証バイアスによって自分の都合のいい情報ばかりを集め、本当に重要な情報を逃してしまうことがあります。これによって視野が狭くなり、柔軟にものを考えることができることができなくなってしまうのです。
確証バイアスのいい例として挙げられるのが冤罪です。ある人が訴えられた時に、刑事は一度その人が有罪だと思い込むと、その人物が有罪である証拠を集めようとします。一方で無実を証明するような証拠は軽視しがちになってしまうのです。これによって冤罪が成立してしまうのです。
後知恵バイアス
後知恵バイアスとは、実際に事が起こった後に「やっぱりそうなると思った」と考えることを言います。事前に正しい判断ができなかったにもかかわらず、あたかも正しい判断ができる能力があったと感じてしまうのです。
ポーカーにおいては負けてしまった時などに「やっぱりこうなったか。」など、実際にその判断をしなかったにも関わらず、予想できていたかのように考えてしまった場合、後知恵バイアスが働いているといえます。負けてしまった時に自分の非を認めずに、あたかも勝てる実力があったとみなしているといってもいいでしょう。
この場合、ダニング=クルーガー効果と同じように自分の能力を過大評価してしまっているため、その後のスキルアップの妨げになるといえます。
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ハロー効果とは
ハロー効果とは認知バイアスの1つであり、光背効果、ハローエラーとも呼ばれることがあります。ハロー効果とはある対象を評価するときに、対象者が持つ目立ちやすい特徴に影響を受け、他の対象についての評価が歪んでしまう現象のことを指します。
ハロー効果には、ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果の2つがあります。
ポジティブ・ハロー効果とは、ある対象の目立っている良い点を見て、他の点も実際より高く評価することを言います。
例えば、Aさんという人物が有名大学を卒業しているとします。そして、勉学において優れているという事実をもとに、優れたビジネスパーソンであると判断することは、ポジティブ・ハロー効果だといえます。というのも、有名大学を卒業していることと、実社会で仕事会ができるかどうかは全く別のものだからです。Aさんはもしかしたらスポーツ推薦で有名大学に入学したかもしれません。または、勉強が得意だとしても内向的な性格でコミュニケーションスキルは高くないかもしれません。しかし、ポジティブ・ハロー効果によって、これらの事実を無視して、Aさんがビジネスパーソンとしても優れていると判断してしまうのです。
一方でネガティブ・ハロー効果とは、対象のある特定の評価が低いと感じた場合に別の評価を低くしてしまう現象のことです。1つの印象が悪いと、全体に対して悪い印象を抱いてしまうようになるのです。
例えば、あなたの友人に性格がおとなしい人がいたとします。そうすると、おとなしいという部分に注目し、おとなしいから友達がいない、おとなしいから趣味がなさそう、などそこから発展して他のネガティブのイメージを持ってしまうのです。また、見た目が派手な友達を、金遣いが荒らそう、まともな仕事をしていなさそうなどとネガティブ・ハロー効果によってマイナスなイメージを持ってしまうのです。
ポーカーにおいてはハロー効果によって、見た目で相手の実力を判断してしまうことにつながります。例えば、ブランドの洋服を着てお金持ちそうな雰囲気を醸し出していると、その見た目から「ハイローラーだ」「ポーカーで強いに違いない」という判断をしてしまいます。また、実際にプレイにおいても服の着こなしや振る舞い方から「この人は強気のアクションを取りそうだ」などの判断をすることもあります。
ギャンブラーの中にはこのハロー効果を活用して、他のプレイヤーに緊張感を与えるためにわざと派手な格好をしたり、煌びやかアクセサリーを身につけたりする人もいます。
信念バイアス
信念バイアスとは結論が妥当であれば、その議論や過程までも正しい、という考え方を言います。つまり、結果がすべてであり、いい結果が出ればそれまでの過程もすべて正しい、結果が悪ければ、それまでの経過がすべて誤っていた、ととらえることを言います。
信念バイアスが働いている場合、結論、結果がすべてであり、その結論、結果に至るまでの過程がすべて軽視されてしまうのです。
ポーカーにおいては勝ちさえすればその過程はどうでもいい、という考えになってしまいます。そのため、戦略ではなく運に頼りがちなプレイスタイルとなってしまうのです。
しかし、ポーカーにおいてはどのラウンドでそのアクションを取るべきだったか、など実力を上げるためには過程を吟味することが欠かせません。勝てたとしてもその過程で正しい戦略を使用することができていなかったのであれば、安定的に勝ち続けることは不可能でしょう。
内部モチベーション
内部モチベーションとは自分の意志によってある行動をとることを言います。例えば、仕事をするときに給料や待遇などを重視している場合は、外部モチベーションの割合が高いといえます。一方で、仕事の内容から判断して「好きだからこの仕事をしている」という場合は、内部モチベーションが働いているといえます。
好きと言う感情だけではなく、条件を考慮して仕事をしていた方が、長く仕事を続けられるという印象があるでしょう。しかし、実際には「好きでやっている」という人の方が仕事が続き、出世する可能性が高いのです。
これはニューヨークの軍事大学の調査でも判明しており、意識が高く、偉大な目標を持つ学生よりも、好きだからやっている学生の方が、将来に出世する確率が高いと報告されています。
ポーカーにおいても同じことが言えます。お金を稼ぐためにポーカーをプレイしている人よりも、純粋にポーカーを楽しんでいる人の方が実力が高いことが多いのです。
そのため、ポーカーにおいて成功を収めたいのであれば、まずはポーカーを楽しむことから始めることが一番でしょう。
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情報バイアス
情報バイアスは明らかに不要な情報でも必要だと思い込んで集めてしまうことを言います。そして、最終的には情報過多となり正しい判断ができなくなってしまうのです。
正しい判断をするには、必要な情報だけを集めてそれらを適切に分析する必要があります。しかし、不要な情報が多く集まりすぎてしまうと判断を下すのに時間がかかってしまうと共に、最終的には間違った結論に達してしまうのです。自分の意志決定に自信がない人はこの情報バイアスが強く働きやすいといえます。
ポーカーにおいては戦略を練る際に、不要な情報を集めてしまうことがあります。また、ポーカーは心理戦であるため、相手の思考を推測する必要があります。しかし、この情報バイアスが働いてしまうと深読みしすぎてしまい、結局は正しい判断ができなくなってしまうのです。
ポーカーでは決断を下すのに長い時間を使うことができません。そのため、必要最低限の情報だけを集めて、正しいアクションを取ることが大切です。
可用性ヒューリスティック
可用性ヒューリスティックとは、意思決定を怠けてしまう認知バイアスのことを言います。
可用性ヒューリスティックが働いている場合、正しく情報を分析して意思決定をするのではなく、直近の情報のみを参考にして結論を出してしまうのです。
例えば会社のボーナスではこの可用性ヒューリスティックがよく働いています。普段よく仕事をしている人であっても、ボーナスの査定の直前にミスをしてしまうと、そのミスがAさん全体の評価となってしまい、それまでの業績などを考慮してくれなくなってしまうのです。このように可用性ヒューリスティックによって思考に偏りが出て、正しい評価ができなくなります。
ポーカーにおいても可用性ヒューリスティックが働いてしまうと、対戦プレイヤーを正しく判断できなくなってしまいます。ポーカーにおいては過去のゲームでのアクションや戦略、発言など細かな要素を検討して、相手のことを分析することが大切です。しかし、この可用性ヒューリスティックによって直前のゲームのわずかな情報だけで、意思決定をしてしまうようになるのです。
また、直感だけでアクションを決定してしまうことも多くなるので、ポーカーにおいて負けるリスクが高くなるといえます。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、予期しない事態に対峙したとき、「ありえない」という先入観が物事を判断してしまうことを言います。例えば、非常ベルがなった時に多くの人はいたずらを疑ったり、機器の検査だと思い込んだりします。つまり、目の前で起こる可能性が低いことが発生した際に、それを信じようとしないのです。
これによりリスクを正しく判断できなくなってしまうため、危険を回避できなくなってしまうことがあります。
例えば、ギャンブル依存症が例として挙げられるでしょう。ポーカーなどギャンブルをプレイする際、誰でも「自分は大丈夫」と思い込んでプレイをします。しかし、実際にプレイしてみると大金を費やしてしまったり、1日に何時間もポーカーに費やしてしまったりします。
正常性バイアスが働いている場合、目の前にリスクを軽視してしまうことがあるので、気を付けなければいけません。
認知バイアスについて正しく理解しましょう
このように認知バイアスには多くの種類があり、私たちに思考を妨げたり、正しい判断をできなくしたりしてしまうのです。そして、ポーカーにおいてもこの認知バイアスがネガティブに働くことがよくあります。
認知バイアスとは誰にでもある脳のクセであり、回避するのは簡単なことではありません。しかし、どのような認知バイアスがあるかを知っておくだけで、それにはまってしまわないように気を付けることができます。ぜひ認知バイアスについての理解を深め、ポーカーにおいて間違った判断をしてしまわないようにしましょう。
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