ポーカーの攻略1:スチール
最終更新日: 2024/06/20
スチールとは何か?
ここではポーカーの攻略をお教えします。ここでご紹介する方法はスチールです。スチールは英語で直訳すると盗むという意味で、その名の通り、ポーカーのブラインドやリンパー達のチップを盗む技術のことを指します。実際はもちろんの事、ポーカーの対戦相手の手元にあるチップの山からチップを盗む、という意味ではなく、スチールは、プリフロップにおいて、レイズアクションを行って全員を降ろし、テーブルに出されたチップを手にすることを意味します。
スチールで大事なポイント
自分より前にレイズアクションが入っていない。自分が相手にタイトなプレイヤーだと思われている。なんでもコールするコーラーがいないこと。ポットコミットしているプレイヤーがいない。ポジションが良い。タイトなテーブルであること
1. 自分より前にレイズアクションが入っていないこと
スチールは、自分以外を全員降ろすことが目的の攻略法です。レイズが入るということは、ハンドが強いと主張しているプレイヤーがいることになり、あなたのリレイズに対しても降りない可能性が高くなります。スチールはハンドで勝負するのではなく降ろすのが目的ですから、失敗した場合も考慮し、できるだ少ないコストで行うべきです。そのためには、あなたより前にレイズアクションが入ってる場合、激しい打ち合いになってしまうかもしれないため、行うべきではありません。
2. タイトなテーブルであること
必ずしもタイトなテーブルである必要はありませんが、タイトなテーブルほどスチールの成功率は上がります。タイトということは、レイズアクションが発生した場合に、慎重になるプレイヤーが多いということになりますから、あなたのレイズに対しても、フォールドを選択するプレイヤーが多いことを意味します。
3. ポジションが良いこと
1番と関係してきますが、あなたのアクションが後であればあるほど、スチールの成功率を見定めることが容易になります。あなたがBTNだった場合、ブラインドの2名以外のアクションを全て見てから判断できます。あなたまでレイズが入っていなければ成功率は高く、スチールに適した状況と言えます。レイズがあった場合、あなたのハンドの強さ次第でフォールドするか普通に勝負するかを選べばいいのです。アーリーポジションでスチールを行ってもよいですが、あなたの後にリレイズやコールが入ってしまった場合、スチール失敗となります。
4. あなたはタイトなプレイヤーだと思われていること
あなたのレイズアクションに対し、まわりのプレイヤーがどう思うかです。あなたのことをタイトだと思っていれば、あなたのレイズは「強いハンドが入った」と考えてくれます。しかしあなたのことをルースなプレイヤーだと思っていた場合、あなたがレイズしても「そんなに強くないハンドでスチール狙ってるな」と疑われ、幅広いハンドでコール、もしくはリレイズされてしまいます。
5.コーラーがいないこと
あなたのレイズになんの脅威も感じず、気分次第でコールしてしまうような超ルースなプレイヤーや初心者がいると、降ろすことができません。
6.ポットコミットしているプレイヤーがいないこと
トーナメントなど、ブラインドがかなり高くなっている状況であれば、BBでスタックの3分の1を出してしまっているショートスタックのプレイヤーが出てきます。そのようなプレイヤーは、通常であればフォールドしているようなハンドでもコールが正当化されてしまいます。つまり、あなたの3BBのレイズに対し、残りの2BBを出すことで6.5BBのポットをとりにいく、つまりオッズ3.25倍という状況が発生します。オッズ3.25倍は、30.7%の勝率があればコールできますから、幅広いハンドでコールされてしまいます。
スチールのテクニック
レイズ額を変える
リンパー(プリフロップでBBに対しコールする人)が多いと、ポットが膨らむため、あなたの3倍レイズにコールするオッズが良くなっていきます。そのため、全員を降ろす基準として、
リンパーが0人の場合=3倍レイズ(3BB)
リンパーがn人いる場合=(3+n)倍レイズ
という基準を設けると、コールされにくくなります。
スタックサイズを知る
スチールは相手を降ろすことが目的なので、相手に降りたいと思ってもらわなければなりません。スタックに余裕があるプレイヤーは、それほど強くないハンドでもフロップを見にいこうとコールしやすい反面、ショートスタックのプレイヤーにとっては全てのハンドが命がけです。(特にトーナメントなら。)そのようなプレイヤーほど、自分のハンドを絞るため、降りる傾向が大きくなります自分の座っているテーブルの各プレイヤーのスタックサイズ、チップリーダーは誰か、そのプレイヤーはルースかタイトか、など状況把握を行い、より成功率の高いタイミングでスチールを仕掛けましょう。
ポジションを変える
あなたがBTNの時に頻繁にレイズ(スチール狙い)をしていると、時間が経つにつれて、まわりのプレイヤーはあなたのレイズをポジションによるものだと判断し、コールされやすくなります。時にはCOから、時にはMPからスチールを行い、ポジションではなく”ハンドの良し悪しでレイズしている”と思わせなければなりません。
トーナメントでのスチール
リングゲームと違い、トーナメントではスチールが重要な戦略となります。リングゲームは、ずっと席にすわっていても、1周ごとにまわってくるブラインドが減っていくだけですが、トーナメントはそのブラインドが上昇し、さらにアンティ(参加費)が発生しますから、リングゲームに比べスタックの減っていスピードが早くなります。そのかわりアンティの分、スチールによる収入も大きくなります。
また、非常にタイトにプレイしていると、一向にスタックが増えず、どんどんスタックが減っていくため、スチールによってスタックの減りを抑える必要がでてきます。
トーナメントは飛んだら終わりのサバイバルゲームですから、他人のレイズなどのアグレッシブなアクションに対して多くのプレイヤーが慎重に対応します。そのため、一般的には、スチールの成功率もリングゲームより高いと言われています。
リスチール
リスチールとは、スチールを仕掛けてきたプレイヤーのチップを奪い取る技術です。これまで述べたように、スチールはレイズアクションによって自分以外を降ろすことが目的なので、自分のハンドの強さは関係ありません。よって、そのような弱いハンドでスチールをしかけてきているプレイヤーに、さらにリレイズを被せて降ろしてしまう技術です。
これは、レイズしたプレイヤーを「スチールが狙いでハンドは強くない」と予測することが必要なため、高度なリーディング能力が必要です。さらに言えば、「相手のハンドは弱く、狙いがスチールだ」という読みに自信があれば、リスチールするハンドの強さも関係なくなります。リスチールも、全員を降ろすことが目的だからです。
このように、それほど強くないハンドでリレイズすることを、ライト3ベットと呼んだりします。最近では、スチール、リスチールという技術が一般化しているため、ライト4ベットという概念も登場しています。