アービトラージ (両建て)|ブックメーカーでの使用方法・利点欠点を解説

アービトラージとは

アービトラージとは、金融業界で使用される言葉であり、スプレッド取引、サヤ取引、裁定取引などとも呼ばれています。アービトラージとは複数の証券会社や仮想通貨取引所で発生する価格差を利用して、利益を上げる投資法のことをいいます。

では、具体的にどのように場面でアービトラージが行われるのかを見ていきましょう。

株取引によるアービトラージ

株取引をしている投資家の間で、アービトラージはよく利用されています。株取引において、1つの証券会社で株を購入し、その価格よりも高い金額で株を買い取っている証券会社で売却することで、アービトラージが成立します。

このようの証券会社の間で差が大きくあると、その差をうまく利用して利益を生み出すことができるのです。

仮想通貨によるアービトラージ

株式と同じように、仮想通貨においてもアービトラージが可能です。特に仮想通貨の取引所は資金フローによって価格が変動するため、売買価格に生じることがよくあります。

仮想通貨でアービトラージを利用するには、「流動性の低い取引所」と「流動性の高い取引所」の2つの取引所に登録をして、その差をうまく狙うのがいいでしょう。

このようにアービトラージは投資におけるいろいろな場面で使用されており、アービトラージ専門のトレーダーもいます。

スポーツベッティングにおけるアービトラージ

アービトラージという言葉は一般的に投資に関連して使用される言葉ですが、スポーツベッティングに応用することもできます。

スポーツベッティングでアービトラージを使用する際には、複数のブックメーカーがどのようにオッズを設定しているかに注目します。

そして、複数のブックメーカーでベットすることにより、結果がどうなったかに関係なく、オッズの差異によって最終的に利益が残るようにするのです。

では、なぜブックメーカーによって、設定するオッズが異なるのでしょうか?ブックメーカーはオッズを設定する際、様々な情報を参考に勝率を計算し、オッズを設定します。

しかし、すべてのブックメーカーが同じ情報を参考にするわけではありません。あるブックメーカーは情報収集に長けていたり、あるブックメーカーは情報網が少なかったりなど、必ず差があります。

この情報量の際により、結果予想が異なり、結果的にオッズにも差が出るというわけです。ベッターたちは、この差の部分に目を付け、スポーツベッティングでもアービトラージを使用するようになりました。

また、これは稀なケースですが、ブックメーカーのミスで誤ったオッズが公開されてしまうということもあります。その場合、他のブックメーカーのオッズとかなり大きな差が出るので、アービトラージの大きなチャンスだといえます。このようなケースを見つけたら、多めの金額を投入して、大きな利益を確実に獲得するといいでしょう。

アービトラージのメリット

スポーツベッティングにおいて、アービトラージを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、確認していきましょう。

1.確実に稼ぐことができる

スポーツベッティングでは試合の結果がどのようになるかを確実に予想することは不可能であり、勝つこともあれば負けることもあります。

しかし、アービトラージを使用すれば、どのような結果になったとしても、利益を獲得することができます。

そのため、リスクを取らずにコツコツと資金を貯めたいという方にアービトラージは向いています。

2.初心者でもできる

スポーツベッティングで勝てるようになるには、それまでの試合の結果をすべて調べたり、選手のコンディションから結果を予想したりなど、分析に時間をかけなければいけません。そのため、スポーツベッティングの知識が少ない初心者の場合は、ある程度結果が予想できるようになるまで、時間がかかってしまいます。または、分析をしても、的中率が上がらないということも。

しかし、アービトラージの場合は、スポーツに関する分析は一切不要です。確認するべきことは、各ブックメーカーのオッズに差があるかだけ。そのため、簡単にリサーチだけで、アービトラージを使用することができるのです。

スポーツに興味はないけどお金を稼ぎたい、という方は、アービトラージだけを狙ってスポーツベッティングを行うのもいいでしょう。

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アービトラージのデメリット

スポーツベッティングでアービトラージを利用する場合、メリットよりもデメリットの方が多い!?どのようなデメリットが考えられるのか、詳しくみていきましょう。

1.多くのブックメーカーが禁止している

アービトラージは確実に利益が得られる手法であるため、多くのブックメーカーが禁止しています。もし利用しているのがバレてしまった場合、勝利金の没収、アカウントの閉鎖などのペナルティが課せられる可能性があります。そのようなリスクを取りたくない場合は、アービトラージを利用しないようにしましょう。

アービトラージを認めているブックメーカーは、非常に少ないのが現状です。アービトラージを利用する際には、各ブックメーカーの利用規約をよく読んで、禁止されているかどうかを確認するようにしましょう。

2.複数のブックメーカー登録が必要

アービトラージをするには、最低でも2つのブックメーカーに登録しなければいけません。

また、どのブックメーカーの間で差が生じるかというのは毎回異なるので、どのブックメーカーにも対応できるように、何種類ものブックメーカーに登録をしなければいけないことになります。実際にアービトラージをしているプレイヤーからは、20以上のブックメーカーに登録しなければいけない、という意見もあります。

複数のアカウントを持っていると管理が難しくなりますし、実際にどれくらいの収益が出ているかの資金管理もややこしくなってしまいます。また、複数のブックメーカーに個人情報を提供するというリスクもあるでしょう。

スポーツベッティングのリスクを最小限にしたいのであれば、利用するブックメーカーの数も最小限にとどめておくのがいいでしょう。

3.多額の資金が必要

アービトラージを利用するには、それぞれにブックメーカーにある程度の資金を入金しておく必要があります。

通常のスポーツベッティングで1つのブックメーカーを利用するだけならば小額でも始められますが、複数のブックメーカーを利用するにはまとまった金額が必要です。基本的にブックメーカーには最低入金額が設定されているので、数万円の資金が必要となるでしょう。

例えば、20のブックメーカーにそれぞれ5000円ずつ入金した場合、それだけで100,000円の資金が必要となります。実際にアービトラージで稼ぐためには、多くの資金を入金しなければいけません。

大きい金額をブックメーカーに入金したくない、という方にはアービトラージは向いていないでしょう。

4.すばやく賭ける必要がある

各ブックメーカーは、それぞれのブックメーカー間で大きな差が出ないように常にマーケットをモニターしています。ブックメーカーはオッズに開きがあるときは、そのオッズをすぐに調整し、アービトラージができないようにしてしまいます。

最近ではテクノロジーの発展により、モニタリングシステムのクオリティも向上しています。そのため、アービトラージをするには、システムが見つける前の、わずかな時間を狙ってベットしなければいけません。かなり高度な技術が問われますね…

5.マックスベットが設定されている

ブックメーカーによっては、スポーツベッティングで賭けることができる金額の上限、つまりマックスベットを設定していることがあります。

アービトラージは確実に利益を得ることができるため、賭け金が大きければ大きいほど、利益も大きくなります。

しかし、マックスベットが設定されている場合、獲得できる利益にも上限があるため、思うように稼げないと感じることも感がられるでしょう。

6.スポーツベッティングが楽しめなくなることも

スポーツベッティングの醍醐味と言えば、試合を見ながら賭けの結果がどうなるか、ハラハラする点でしょう。また、スポーツ好きであれば、一生懸命分析したうえで、結果を予想できるようになれば、ますますスポーツが好きになりますよね!

しかし、アービトラージの場合は、試合の結果はほとんど関係なく、ひたすらオッズの差を狙って賭けをするだけです。そのため、通常のスポーツベッティングの楽しみ方とはかけ離れてしまっています。

純粋にスポーツベッティングを楽しみたいという方には、アービトラージは向かないでしょう。

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アービトラージのベット方法

アービトラージとは、すでに解説した通り、各ブックメーカーが設定するオッズの差を利用した手法です。どのブックメーカーのオッズでアービトラージが利用できるかを見つけるには、各オッズの払い戻し率を確認します。

ブックメーカーAの払い戻しが106%、ブックメーカーBの払い戻し率が89%というように開きがあるときに、オッズにも大きな差が生まれます。つまり、これがアービトラージのチャンスとなります。ブックメーカーの払い戻し率は、専用の計算機で算出することができるので、ぜひ活用しましょう。

そして、アービトラージを使用する際には、アービトラージカルキュレーターを使用するのが便利です。

このアービトラージカルキュレーターで使用するには、まずは賭け金を入力します。そして、複数のブックメーカーのオッズとそれぞれの手数料を入力します。

そうすると、アービトラージカルキュレーターが計算を行い、それぞれのブックメーカーにいくら賭けることで、いくらの利益が得られるのかを表示してくれます。

これによって、初心者でも簡単にアービトラージを利用して、スポーツベッティングをすることができます。

アービトラージは計算機を使用すればすぐに利益や賭け金を決定することができますが、対象となるオッズを見つけるにはリサーチ必要となります。

最近ではアービトラージが発生した時に通知してくれるシステムもあるので、時間を節約したいという方は、それらを利用するのもいいでしょう。

アービトラージの実践例

実際にアービトラージを使用した際に、どのように利益が得られるかを見ていきましょう。

例えば、Jリーグサッカーの浦和レッズと川崎フロンターレの試合において、ブックメーカーAとブックメーカーBが以下のようにオッズを設定していたとしましょう。

ブックメーカーA

浦和レッズの勝利:2.4 (41.67%)
川崎フロンターレ:1.55 (64.52%)
マーケットマージン:106%

ブックメーカーB

浦和レッズの勝利:2.4 (41.67%)
川崎フロンターレ:2.1 (47.62%)
マーケットマージン:89.29%

この2つには、マーケットマージンに大きな開きがあり、アービトラージが可能です。

この場合、ブックメーカーAでは浦和レッズの勝利、ブックメーカーBでは川崎フロンターレに100ドルずつ賭けたとしましょう。

その場合、結果と利益は以下のようになります。

浦和レッズが勝利した場合:

賭け金の合計:200ドル
ブックメーカーAの結果:240ドルの払い戻し
ブックメーカーBの結果:100ドルの損失

140ドルの利益

川崎フロンターレが勝利した場合:

賭け金の合計:200ドル
ブックメーカーAの結果:100ドルの損失
ブックメーカーBの結果:210ドルの損失

110ドルの利益

つまり、このようにいずれの結果でも利益が残ることになります。

サッカーのベッティングについて▼
サッカー スポーツベット 始め方ガイド【入門編】

アービトラージ 初心者へのアドバイス

アービトラージを利用するにあたって、いくつか知っておくべきことがあります。初心者の方はとくに、実践前に以下のポイントを抑えておきましょう。

ベット額に注意

アービトラージを利用する場合、確実に利益が得られるとわかっているため、賭け金が大きくなってしまいがちです。入金している金額に対して、賭け金が大きすぎるとブックメーカーの注意を引き、調査が行われる場合があります。

ブックメーカーがアービトラージを禁止している場合、アカウントの削除や勝利金の没収など、ペナルティが課せられる可能性があるので注意しましょう。

ブックメーカーに目を付けられないようにするには、入金額に対して低い割合の金額を抱えること、98.37ドルなどの半端な金額ではなく切りのいい数字を賭けることが大切です。

また、万が一ベットが拒否された場合は、再び賭けることがないようにしましょう。複数回ベットをし、さらに拒否されてしまうと、ブックメーカーにより怪しまれてしまいます。

マイナースポーツでベット

次に、アービトラージを利用していることがバレないようにするためには、人気のスポーツを避けることが大切です。人気のスポーツでは多くの人がオッズをチェックして、アービトラージを利用する人もたくさんいます。そして、大多数が似たような賭け方をしている場合、ブックメーカーはそれを怪しみ調査を行うことがあります。

人気のスポーツであればあるほど、アービトラージがばれる可能性が高くなるので、他のベッターが目を付けていないようなマイナーなスポーツに賭けたほうがいいでしょう。

出金のタイミング

最後に、アービトラージを利用する場合は、頻繁に出金しないようにしましょう。出金をする際、ブックメーカーはプレイヤーのアカウントをチェックします。頻繁に出金手続きをするとそれだけアカウントが何度も調査されるので、アービトラージがばれる可能性が高くなります。

このようにアービトラージを利用する際は、いくつか注意しなければいけない点があるので確認しておきましょう。

そのほか初心者向け記事はこちら
▶︎ オンラインカジノ 初心者ガイド

▶︎ その他】ビギナーズガイド

アービトラージはおすすめ?

ここまでアービトラージについて紹介しましたが、スポーツベッティングで稼ぐ方法として、アービトラージはあまりお勧めできません。

アービトラージは確実に稼ぐことができる有効な必勝法ですが、それだけに最近ではブックメーカーが厳しくモニタリングしています。ブックメーカーが頻繁にモニタリングをしているため、アービトラージが可能であったとしてもすぐに調整されてしまい、実際にアービトラージができるチャンスはほとんどないのが現状です。

オッズが調整される前のわずかに時間を狙うことできますが、その際はすばやくベットしなければいけないため、操作ミスなどを防ぐために初心者には難易度が高いと考えられます。

かつては、オッズの差が長時間放置されていることもありましたが、現在では細かくチェックされているので、昔のようにはうまくいかないでしょう。

また、アービトラージは1回の利益がそこまで多くありません。オッズに大きな差が出るということはほとんどないため、確実に利益が得られるといっても数ドルの時もあります。むしろ、オッズが調整されてしまい、利益が出ないことすらあります。

そのため、数回は確実に勝つことができたとしても、長期的にアービトラージした場合、ほとんど利益が得られないのです。

アービトラージはブックメーカーが禁止しているので、リスクを伴います。少ない利益のためにアカウント閉鎖などのリスクを取るのは得策とは言えないでしょう。

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