2025年最新アンケート、ゲーム習慣における男女差を調査

近年、ゲーム業界は大きな成長と変化を遂げ、ゲームはさまざまな層に広く受け入れられる文化的現象となっています。

日本は世界の中でもゲーム文化とイノベーションの先駆けとして知られており、ゲームにおける男女差を考察するうえで非常に貴重なデータを得ることができます。

本記事では、20歳から59歳までの日本人男女各500名、計1,000名を対象に実施した最新の調査データをもとに、さまざまな視点から分析を行っています。

さらに、私たちの研究チームが最近行った、精神衛生とゲームの関係を探る調査、および男女それぞれのゲームの好みに関する調査から得られた知見もあわせてご紹介します。

これらの調査結果を通して、ゲームのプレイ頻度や好みのジャンル、動機、消費習慣、ゲームを通じた社会とつながり、そして精神衛生に与える影響において、男女間に顕著な違いが見られることが分かりました。

こうした違いを理解することは、開発者やマーケターがより効果的に製品やサービスを提供するためだけでなく、研究者や政策立案者がゲームによる社会的・心理的影響を考えるうえでも有意義であると考えられます。

ここでは、それらの分析結果を詳しくご紹介します。

調査方法

本調査は、20歳から59歳までの国内の男女を対象に実施し、男性500名、女性500名、合計1,000名の回答を収集しました。

調査結果

ゲームにおける経験や頻度の比較

国内調査データから、ゲームの経験と関与度に顕著な男女差が見られました。20年以上のゲーム経験をもつ割合が男性では約38%だったのに対し、女性では約21%にとどまっています。

一方、ゲーム経験がないと回答した女性は全体の約42%で、男性では約24%でした。

週あたりのゲーム頻度を見ると男女間であまり差は見られず、男女ともに約29%が毎日ゲームをプレイすると答えました。

ただし、週に数回プレイする割合は男性が15%とやや高く、女性は12.4%でした。

ゲームをする頻度はどのくらいですか?

ゲームをする頻度はどのくらいですか?

 

性別ごとに好まれるゲームジャンルの違い

ゲームジャンルの好みには明確な男女差が現れています。

男性はロールプレイングゲーム(44%)、アクションゲーム(32%)、スポーツゲーム(25%)、シューティングゲーム(17%)を強く好む傾向があり、一方、女性はパズルゲーム(60%)を圧倒的に好み、カジュアルゲームへの関心も高い傾向がありました。

女性に最も不人気だったジャンルは、スポーツ・レースゲーム(4%)およびアクションゲーム(15%)で、ゲームへの関心の違いが顕著に現れています。

好きなゲームのジャンルは何ですか?(複数回答可)

ゲームをする頻度はどのくらいですか?の画像

ゲーム時間と消費習慣の男女差

ゲーム時間については、女性の42%が週に2時間未満と回答し、男性の30%を上回りました。

週に20時間以上の長時間のゲームをする割合は男性が10%で、女性(6%)のほぼ2倍となっています。

男性は女性より多くお金をかける傾向があり、月に5,000円以上を使う人が男性では12%なのに対し、女性ではわずか5%でした。

一方、ゲームにお金を一切使わない割合は女性が67%、男性が53%でした。

過去1か月間でゲームにいくら使いましたか?

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ゲームの動機と社会的交流の違い

ゲームをする動機にも大きな男女差が見られました。

男性は社会的交流(男性10%、女性5%)、懐かしさ(男性19%、女性8%)、スキル向上(男性15%、女性9%)などを動機として挙げる割合が高くなっています。

一方、女性はリラクゼーションを主な動機として挙げることが多く(女性64%、男性56%)、男性は女性よりも頻繁にゲームを通じて社会と交流しているようです(時々交流する割合は男性23%に対し女性16%、全く交流しない割合は女性57%に対し男性48%)。

ゲームを通じて友達や知人と交流しますか?

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他の人と一緒にゲームをするのは楽しいですか?あなたの答えに一番近いものを選んでください

他の人と一緒にゲームをするのは楽しいですか?あなたの答えに一番近いものを選んでください 画像

ゲームストーリーとライブストリーミングへの関心度

ゲームのストーリーへの関心にも男女差が見られています。

ゲームの物語に強い関心をもつ割合は男性のうち27%、女性のうち20%という結果でした。

また、ゲームライブ配信の視聴習慣にも顕著な違いがあり、定期的に視聴する割合は男性が約20%、女性が13%で、ライブ配信を全く視聴しない割合は女性が51%、男性が31%でした。

ゲームのストーリーに関心がありますか?

ゲームストーリーとライブストリーミングへの関心度 画像

ゲームのライブ配信(YouTube、Twitchなど)を見ますか?

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オンラインカジノゲームの好みにおける性差

男女の好みの差はオンラインカジノゲームにも及んでいます。

女性は日本文化をテーマにしたゲーム(女性25%、男性13%)やライブディーラーゲーム(女性42%、男性34%)のようなインタラクティブな体験を好む傾向がありました。

一方で、男性は社会とつながる機能を好む傾向が強く(男性21%、女性8%)、女性はこれらのゲームにおけるスキル向上に価値を置く傾向があるようです(女性25%、男性11%)。

さらに、ギャンブル系ゲームをストレス解消の手段として肯定的に見る割合を見ると、男性(56%)が女性(38%)を上回っています。

好きなオンラインカジノゲームのジャンルはどれですか?当てはまるものを全て選んでください

好きなオンラインカジノゲームのジャンルはどれですか?当てはまるものを全て選んでください

ゲームが精神衛生に与える影響の認識

ゲームが精神衛生に与える影響においても、男女の違いが現れています。

ゲームが気分を向上させると答えた割合は男性(43.5%)が女性(33.1%)を上回り、ゲームが気分を良くする効果について懐疑的な女性の割合(33.6%)は男性(29.9%)を上回っています。

また、オンラインカジノゲームが精神衛生にポジティブな影響をもたらすと考える男性(30.9%)は女性(11.1%)より多く、逆に女性はこれらのゲームが精神衛生に悪影響を及ぼすと考える割合が高い(女性44.4%、男性30.9%)ことがわかりました。

ストレスを感じたり気分が落ち込んだときに、ビデオゲームやオンラインゲームが気分を上げてくれると感じますか?

ストレスを感じたり気分が落ち込んだときに、ビデオゲームやオンラインゲームが気分を上げてくれると感じますか?

まとめ

今回の一連の調査結果から、日本のゲーマーにおけるゲーム行動、動機、認識には、男女間で大きな違いが見られることが明らかになりました。

本調査に加え、精神衛生への影響やゲームの嗜好に関する別の調査を通じて、男性は女性に比べて一般的にゲーム歴が長く、時間やお金をより多く費やしていること、さらに社会的な交流やストーリー性のあるゲーム体験を重視する傾向が強いことが分かりました。

一方で、女性はカジュアルなゲームやパズル系のゲームを好み、リラクゼーションや文化的テーマに基づくゲーム体験をより重視する傾向が見られました。

 ゲームに対する全体的な印象は男女ともにおおむね肯定的ですが、特に女性は、ゲームが精神衛生に与える影響について慎重かつ懐疑的な見方をする傾向が強いことも明らかになりました。

 これらのデータは、多様なゲーマー層とのエンゲージメントを目指す業界関係者にとって、重要なヒントとなることが考えられます。

また、今回の調査を通じて得られた知見は、ゲーム開発やマーケティングにおいてジェンダーに配慮したアプローチの重要性を強く示しています。

今後の研究では、こうした男女差の背景にある要因をさらに深掘りすることで、より豊かなゲーム環境の創出、ユーザー満足度の向上、そして日本におけるインクルーシブなゲームコミュニティの発展につなげていくことが期待されます。