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スポンサー広告規制へ|スペインにおけるギャンブルの現状

2020年2月下旬、スペインのギャンブル界にとって大きく影響を受ける動きがありました。消費問題相Alberto Garzón (アルベルト・ガルソン)氏がギャンブル広告の規制への動きを見せ始めました。

なぜこのような動きが出てきたのか、また今後の見通しについて詳しく見ていきましょう。

ギャンブル広告

そもそもなぜギャンブル広告規制の動きが出てきたのかというと、違法である未成年者のギャンブル行為や、ギャンブル依存症者の増加を防ぐということが大きな目的となっています。ご存知のとおり、スペインは世界でも有数のサッカー大国のひとつであり、サッカーを通じた広告における影響力は圧倒的なものです。そのため、スペインではとくにスポーツベッティングの広告により未成年ギャンブラーが問題視されています。

そうは言ってもこの大きなビジネスを突然すべて規制するというのは経済面から考えても賢明なことではなく、ガルソン氏も完全に規制するというものではなく80%削減するという意向を示しています。また、ガルソン氏は本件に関して次のように供述しています。

「このギャンブル広告の規制は、タバコのものと類似していると考えます。また、この規制の対象は、ユニフォーム類ではなく、クリーンな公的な印象を示しています」

「もし完全な規制を求める人がいるのであれば、ここで討論したいと思います。過去にイタリアで同様のことを試みたことがありましたが、失敗に終わっています。その事例をもとに説明いたします。完全規制を実施するのは、経済的な合理性に欠けるとともに適切ではないと考えられます」

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規制の基準

規制の基準として、テレビやラジオにおける広告は午後8時まで禁止、またオンラインベッティングの広告は午前1時〜5時まで許可するとしています。この規制は、間接的にラ・リーガの利益収入の50%ほど影響するだろうと予想されています。

その他にも、ブックメーカー運営企業はスタジアムやクラブチームなどスポーツのいかなる空間においても広告を禁止するとしています。さらに、スペインで著名人と認識されている人は、その運営企業とは提携不可とされています。

広告出しを許可されているユニフォームにおいても、一部禁止事項が定められています。スペインのクラブチームにおいて、キッズ向けのユニフォームレプリカ商品は、ブックメーカー業界のすべてのロゴを取り除いた上で販売することとしています。

今後の課題

仮にスペインでこの基準がうまく働いたとしても、近隣諸国が変わらずとなれば、なかなかこの基準どおりに規制するのは厳しいように感じられます。

例えば、あるスペインのサッカー選手が個人スポンサーとしてはブックメーカー運営企業とは契約をしなかったとしても、その選手が海外のクラブチームに所属し、そのチームのスポンサーがブックメーカー運営企業と契約をしていればどうでしょうか。やはりその選手が身に着けるユニフォームや関連サイトにはギャンブル広告が掲載されますし、メジャーな選手であればあるほど目にする機会は多く、避けて通るのはなかなか困難と考えられます。

またこれはギャンブル広告に限らないことですが、オンライン上の動画や記事広告を法律で縛るのは容易なことではありません。さらに過去のものも全て洗い出すと考えると、莫大な時間がかかることは明白で、いつまでかかるかわかりません。オンライン関連の法律はどの分野においても大きな課題であることは間違いありません。

この規制により、どのような効果が現れるのか。また、ビジネスと社会問題の両面でプラスに働くような望ましい結果になるのか、見どころです。

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2008年より渡欧、某欧州国の大学へ入学。在学中は、法律・金融・賭博に関する研究・論文を執筆し、2012年に卒業。大学卒業後は、オンラインカジノの専属ライターとして経験を積む。現在は業界歴12年で、最新ニュース、カジノレビュー、ゲームガイド、仮想通貨など多岐に渡るコンテンツを独自の見解とともに配信。