菅新総裁とカジノ法案 (IR法案)|観光事業の引手に?

先月末に、安倍晋三首相が辞任を表明してから数週間、新総裁として菅義偉氏が当選し新内閣が発足し始めました。菅新総裁を迎えて、国民の収入面や2021年に延期したオリンピックなど、あらゆる問題へどのように取り組みが行われて行くのか注目が集まっています。

これまでも度々話題に上がっていたカジノ法案(IR法案)についても、どのような動きが出てくるのでしょうか。現時点での、菅氏の考えやIRに関係する事業を見ていきましょう。

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IRは観光政策に必要不可欠

菅氏はIR(統合型リゾート施設)事業について肯定派か否定派かでいうと、肯定的で前向きな見解を見せています。その1番の理由として、観光事業の活性化について言及しています。メディアでも目にするようにIR事業ではカジノがもっとも脚光を浴びていますが、菅氏はカジノだけがIR事業ではないということを念頭に以下のようにコメントしています。

IR(統合型リゾート施設)は観光政策を進める上で必要不可欠と考えている
カジノだけに目が行きがちだが、家族とともに過ごせる施設やホテル、国際会議の際に家族で来て宿泊して楽しめるなど、政府としてIRは進めていこうと思っている

菅義偉

IRに関与する企業とは

先述では観光業にのみ焦点を当てていますが、そのほかにIRはどんな企業が関わってくるのでしょうか。いろいろな視点から見ていきましょう。

業種別で考えられる関連企業は、以下のとおりです。

建設デザイン設計・建設・内装設備…
セキュリティ防犯カメラ・個人認証システム・情報セキュリティ…
宿泊・飲食ホテル・レストラン・バー・ケータリング…
レジャー・エンタメ施設劇場・美術館・テーマパーク・MICE…
小売ショッピングモール・専門店・コンビニ…
観光・旅客輸送旅行代理店・ツアーガイド・タクシー・電車…
ヘルスケア病院・エステ・温浴施設…
清掃・保守管理清掃サービス・ゴミ処理・リサイクル・メンテナンス…
人材サービス人材派遣・教育
外国人従業員向けサービス不動産仲介・住居サービス・通訳サービス…
IT情報通信・データ通信・IT・AI…
金融銀行・決済サービス・キャッシュレスサービス・保険…
日本文化・伝統・芸能和食・日本酒・着物・茶道・寺社仏閣・歌舞伎・日本舞踊・漫画…

これはあくまで一例ですが、各業種別で見るとこれだけ多くの関連企業があることがわかります。IRを進めることは経済促進に繋がるという意見が強く出ているのも理解できるでしょう。

そうは言っても、現在、世界中で脅かされている社会問題が続く中で、感染症対策としてどういった施策が練られているのか。また、外国人が増えることによって予想される治安の悪化への不安をどう対処するのか。その他にも考えられる複数の課題に対して、どういう姿勢で挑むのか今後も注目が続きそうです。