候補地の最新情報|【2020年】カジノ法案 (IR法案)

気づけばGWも終わり、そろそろ梅雨入りが始まる季節になってきました。ところで「カジノ法案(IR法案)って今はどうなってるの?」「カジノ候補地はどこが有力?」「いつ決まるの?」など疑問に思いますよね。

ここでは、気になるカジノ候補地に関する最新情報をお届けします。最新情報の前に、カジノ法案(IR法案)についておさらいしたい方は、以下の記事をチェック!

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【最新情報】カジノ候補地

昨年の北海道による誘致見送りに続き、年始に千葉県の表明があったことは記憶に新しいと思います。いま東京・神奈川・愛知・大阪・和歌山・長崎の6つの候補地が残っていますが、今回はとくに有力視されている大阪・神奈川・長崎に関する最新情報についてフォーカスしていきます。

大阪(夢洲)

昨今話題になっているので既にご存知の方も多いと思いますが、最有力とされているのが大阪(夢洲)です。2025年に開催が決まった大阪万博とセットでIR誘致としても注目が高まっています。ところが、オリンピックすらも延期となった今、大阪万博も予定通りの開催は厳しいと懸念の声があがってきています。大阪万博開催の雲行きも怪しくなってきましたが、IR誘致の点ではどのような展開が起きているのか見ていきましょう。

そもそも夢洲を候補地として後押ししていた大きな要因のひとつとして、IR開発事業者の1候補であったアメリカのMGMリゾーツ・インターナショナルの後押しがありました。MGMはIR開発は大阪のみだと強調していました。さらに夢洲インフラ整備費用を含めた日本への事業投資として、ラスベガスのカジノホテル「MGMグランド」と「マンダレー・ベイ」を売却するなど強気な姿勢を見せ、周囲を驚かせるようなニュースもありました。

MGMリゾーツインターナショナル サイトページ

ところが現在、世界中で多くの企業が経営破綻を見せる中、MGMも残念ながらその道へ少しずつ進んでいることが判明。今年4月下旬には提出予定とされていた事業企画提案書が出てこなかったことから、MGMはこのIR開発を断念せざるを得ず、事実上手を引いたことが明らかになりました。主力であったラスベガスのカジノホテル売却は、さすがに大きすぎる賭けだったのかもしれませんね。

MGMという大きな後押しがなくなった今、大阪誘致はどのように軌道修正を図っていくか注目です。

神奈川(横浜)

大阪に次いで、有力視されているのは神奈川(横浜)です。他の候補地と比べると住民から反対の声が多く、そこが課題とされていました。ところが今月、横浜にとってはさらに後退するような出来事が起こりました。IR開発事業者の候補企業のひとつである、アメリカ大手カジノ運営会社ラスベガス・サンズによるものです。

ラスベガス・サンズは、IR開発における日本進出を見送ることが今月12日に発表されました。昨年、大阪での開発から手を引いたところから雲行きが怪しく思われていましたが、そこから挽回されることはなく幕を閉じることとなりました。横浜においては、IR開発事業者として最有力候補だったため計画練り直しの必要が多分にあることでしょう。

ラスベガスサンズ サイトページ

ラスベガス・サンズ社の会長兼CEO(最高経営責任者)であるシェルドン・G・アデルソン氏は、長期にわたり日本への興味関心があったこと、そして日本進出を目指していたことを言及。そのうえで手を引く結果となった要因として、次のように述べています。

「日本におけるIR開発の枠組みでは私たちの目標達成は困難であると思われます。これまで日本市場参入の検討をしてきた中で様々な方々に出会え、良い関係を構築できたことに感謝しています。私たちは今後、日本以外での成長機会に注力する予定です。」

PR TIMES「ラスベガス・サンズ 日本市場への参入見送り」より一部抜粋

またこの出来事に対して、菅義偉官房長官は詳しいコメントは控えるとともに、日本の観光業を強化するにあたりカジノを含む統合型リゾート施設(IR)は必要不可欠の意向を強く示しました。

長崎(ハウステンボス)

今回、最後にあげる候補地は長崎(ハウステンボス)です。先の2つの有力候補地が足止めを受けている中、長崎は少しずつ歩みを進めているようにも見えます。九州一のテーマパークとしてさらなる飛躍を見せたいと考えると、このIR開発はものにしたいところでしょう。また、もしIR開発が決まれば、長崎だけではなく九州全体の観光業活性化の可能性を大いに秘めていると言えます。

他の候補地よりリードしている点で言うと、住民からの支持が高いところです。横浜においては課題である住民の反対意見よりも賛成派が上回っています。これは心強いですね。

世界の大手カジノ企業は、長崎にはあまり注目していないのが現状です。長崎に名乗りをあげているのは中小規模の企業ですが、その分、より地域への密着型で勝負を挑んでいるようです。その中で注目されているのは長崎を拠点とするCurrent(カレント)社で、長崎に根付いているところは大きなアドバンテージと考えられます。ただ懸念されるのがIR開発は今回が初めてである点ですが、香港やマカオの事業者と繋がりがるようでそこをいかに活かすかが鍵となりそうです。

大手企業が経営を苦戦する中、中小企業では場合によってはより大きな痛手を負いかねません。このままうまく歩みを進めていけるか注目です。

長崎 夜景

ちなみに長崎は2012年に開催された「夜景サミット2012 in 長崎」において、「世界三大夜景都市」の一つとして認定。そのほかには香港、モナコが選ばれています。夜に楽しまれるカジノと結びつけるには、美しい夜景がこのIR事業開発にも生かされるかもしれませんね。

結局いつになる?候補地の決定

先述のとおり、各候補地で様々な歩みを見せています。そうは言っても気になるのは、「結局いつになれば開発地が決定するのか?」ですよね。現時点では2022年前後とザックリと予定されています。ただ、多くのスケジュールが後ろ倒しされているのでこれも遅延する可能性は大きそうです。

なお、手を組むIR開発事業者は2020年秋に決定予定とされ、2021年1月4日~2021年7月30日にて各自治体およびIR事業者によるIR計画申請期間となっています。また候補地が決定し、いざカジノがオープンするのは2025年頃ではないかとされています。